『仮面ライダーマイス』 第1話「子!マイスターとお嬢様」:感想
・始まりました『仮面ライダーマイス』。
シリーズ構成は荒川稔久さんです。
仮面ライダークウガやゴーカイジャーのシリーズ構成を務めた方であり、悪名高きWの「ヘブンズトルネード」回やキラメイジャーのシリーズ構成でもあります。
脚本家としては大ベテランですけど、ライダーはあまり書いてないのでいろんな意味でどういう方向に行くか未知数なところがあります。
全体的に見やすかった
・1話の印象は「思っていたよりもまとまっている」と思いました。
番宣の時点で敵が「十二支」と呼ばれる複数ライダーで、それとは別に怪人と思しき「不可思議」が存在する構図からはやや不安を感じました。
「マイスも十二支も怪人と戦うならどちらも正義の味方に見えちゃうんじゃないか?」
「目的が同じなら共闘する方が良くないか? また悪い意味でライダーらしくつまらない理由で内輪揉めを続けるんじゃないだろうな?」
「結局、ライダーバトルになるなら怪人がどうでもいい空気になっちゃわないか?」
まだ解消されてない事項もありますが、
「怪人の持つ”エッグ”の奪い合い」
「十二支リーダーの猫とマイスの人類に関わる主義主張の対立」
という軸が提示されたのでさしあたっては問題なく状況についていけていました。
最近のライダーだとガヴ以外は「設定や物語の大枠ばかりが説明されて、今主人公たちがしている行動の価値や目的がよくわからない」と思うことが少なくなかったので、ひとまず最低ラインは超えて少し安心しました。
・主人公の戦う目的はヒロインのためと思っていいんでしょうかね?
前半でエッグを割って食べさせていて、え?人間が食べていいの、それ?と不思議に思いましたが、後半の様子からするとヒロインは特殊な能力か何かが有るみたいでした。
ヒロインみたいな存在が冒頭で語られていた「人類の大いなる希望」や「人の進化」のことなんでしょうかね。
エッグを食べさせているのが進化のためなのか、食べないと死ぬなど他の理由があるのかはまだわかりませんが個人中心の地に足のついた内容なら主人公周りは見やすそうです。
主人公の性格
・ゼッツのブリッジ回での客演時点で顔立ちや執事って話とは印象が違うな?と不思議に感じていましたが、マイス本編でも似たような印象のままでした。
「執事の割には」と思いましたけどけど、実情としてはむしろ逆で執事の方が仮の姿で「暴れん坊が恩義を返すために我を抑えて執事をやってる」みたいな系統のようでした。
十二支のメンバーが100年以上は生きてるっぽくて、「ミズキ家の専属マイスター」とヒロインが言っていたので主人公も青年の外見ながら100年以上生きていてずっと同じ家に仕えているとかあるのかな?と思いましたけど、回想では普通に子供時代があったようなのでそういうわけではなさそうでした。
・物語上の意義は置いておいて、単純な印象としてはそんなに良くも悪くもない印象です。
「嫌味と正論」が基本な感じがしました。お嬢様相手に言っていることは正しいと思うのですが、態度は良いとは思えません。わりと過剰に攻撃的なくらいだと思いました。
その辺はある程度はスタッフの想定通りの味付けだと思います。個人的にはバランスは取れているが人間味は薄いように感じました。
お嬢様がそんな悪い子やわがままに見えませんでした。
勉学に対する不真面目さは感じましたけど不可思議を優先すること自体は悪いこととは思えませんでした。
たぶん主人公的には「争いから遠ざけたい」「普通に生きてほしい」みたいな話なのでしょうけど、それも含めてあの態度になる必然性は今のところ納得感が薄いです。
現状だと主人公の本当の性格や何のために戦っているのかといった主人公周りのことが一番気になっています。
ヒロイン
・お話のキーキャラクターと思しき、主人公が仕えるお嬢様で、いかにもヒロインらしい感じでした。
捜査にちゃんと役に立ってるので出番の多さは気になりませんでした。
人物描写や主人公に対するリアクションもちゃんとあって、一番わかりやすくて見やすいキャラだと思いました。
主人公も十二支も基本的に謎が多いのでこれもバランスが取れているなと思いました。
・ヒロインは主人公の変身に必要なんでしょうかね?
「ネズミになぁれ」とか「人に戻れ」とか主人公の変身に対応しているような素振りに見えました。
十二支側が変身のことを「形質転換(メタモルフォシス)」と呼称していることと関係がありそうです。
一般的な用語としては
分子生物学において形質転換(けいしつてんかん、Transformation)は、細胞外部からDNAを導入し、その遺伝的性質を変えること、またその操作を意味する。
だそうです。
あくまでエッグのDNAを外から取り込んでライダーになっている十二支に対し、それとは異質な”変身”を行っているのがマイスなんでしょうかね。
スパイ
・見るからに怪しいキャラでしたが、最後に十二支のスパイだと明示してくれてわかりやすくて助かりました。
途中の時点でもこいつ十二支のメンバーにいたかな?とか考えてましたけど、どうせ半分くらいはすぐに退場しそうなので覚える気がしないこともあって顔の区別がついていませんでした。
「見てればわかるだろ」で済ませず、ちゃんと素性を描いてくれて個人的には見やすくてありがたかったです。
・名前が「麻尾達臣」で尾と達(タツ=辰)が入っているから露骨に十二支の仮面を被ってる”リュウズ”と同一人物っぽいです。
龍がモチーフのライダーはたくさんいますし、主人公側に寝返りそうな雰囲気も感じます。
・十二支のメンバーが猫に従ってる理由は謎が多いと思いました。
てっきり最初から猫がメンバーなのかと考えていましたが、作中で「使命に背いたネズミに代わって猫の僕が十二支を率いて幾星霜」と交代したことが周知の事実として十二支内で語られていました。
普通に考えたらかつてリーダーだった存在なら「本当に裏切ったのか? あいつがそんなことするとは思えないんだが」と疑問を持つメンバーもいると思うんですよね。
その辺にメンバーがどんな感情を抱いていて、納得しているならその理由は何なのかが気になります。
デザイン
・主役の仮面ライダーマイスのデザインは全体的にはいまいちな印象です。
動物モチーフで量産型という点がギーツと被っていて、ギーツのモブライダーをちょっと豪華にしたくらいの印象です。
素直にかっこいいとか良いデザインだとは思えていません。
マオウも同様で「なるほど。猫のライダーですね」という程度に留まっています。
・怪人の方は名前どおり「不可思議」な印象です。
羽毛が生えてるから鳥がモチーフで、羽が赤いからトキかと思いましたけど、飛び方の感じはどう見ても虫でした。
名前のとおりに違うモチーフが混ざった不思議な外見を目指しているんですかね?
人型とも動物ともつかないシルエットや行動も意図的なんでしょうかね。
カップルだけ狙うなど法則性が有る割には目的は食べるためらしくやってることに奇妙さを感じました。
・バイクはCG版の塗りが酷くて引きました。
のっぺりしていて10年前のクオリティだと思います。
なんでバイクだけあんなにクオリティが低かったんでしょう?
アクション
・ネズミらしいスピーディーな格闘戦は楽しかったです。
壁や天井を駆け回る姿は安上がりですがそれなりに見栄えとハッタリが効いていて良いと思いました。
投げつけられた鉄骨の上を走る姿も身軽さが感じられました。
ネズミらしさを感じるアクションという点では及第点だと思います。
・武器は取り回しが良さそうでした。
回せるところが良いと思いました。意表を突くトリッキーな戦い方をしたり、敵に弾かれた!と思ったらそのまま回転の勢いで持ち直して刺したり、いろいろできそうです。
エフェクトの手間がかかるので頻度は少ないでしょうが、尻尾と組み合わせたり、腕の飾りから実体化するギミックを活かしてとっさに攻撃を受けるのに使ったり、銃にもなるから片手に銃モード、反対の手で剣モードみたいに両手に構えたり、いろんなバリエーションは考えられそうです。
・アクション自体はナイフっぽい感じでした。
空いてる方の手を牽制に使って本命のナイフを仕掛ける感じでいつもの剣とは違う感じが新鮮でした。
・キックは上向きに蹴りぬくところが良いと思いました。
ライダーキックだと貫通するような描写が定番ですけど、貫通するなら上から下に着地するよりも、下から上に蹴り抜いて相手を抜き去る方が見栄えが良いですよね。
走って近づいて相手を蹴り抜いて終わりで基本的には定番のライダーキックの動作ですけど、走って近づくカットを回し車に見立てたり、それを起点になる牽制技につなげたり、工夫が感じられる点が良かったです。
次回は早速ウサギのライダーと戦いになるようです。
1話は「わかりやすい、まとまっている」とは感じたものの、「面白い」と思う要素はアクション以外には特段感じなかったのでストーリー面で引き込まれる内容が有るとありがたいです。
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