『仮面ライダーゼッツ』 第11話「腐る」:感想

2025年11月23日

意味不明な悪夢

「最後の深層心理の扉…それは絵師本人がカビることだったんだ!」
………、??? どういう恐怖だよ?!
絵師だから「腕を壊して二度と描けなくなる」とかシンプルに人間全般にあてはまる「死ぬのが怖い」って話ならまだわかりますが、「カビるのが怖い」ってどんな恐怖/願望ですか?
よく「この名画は私が死んだ後でも何百年も残り続ける! 芸術は永遠だ!」なんて言い方がありますし、「最高傑作の絵がカビること」と「自分の腕がカビてもう描けなくなること」だったら最高傑作が台無しになる方が悪夢な気がするんですけどそれやっちゃうと夢主は助ける展開ができないからダメなんですよね…
無理がありすぎて「絵をカビさせると暗号が出てくるんですよ。普通、大事な絵をカビさせようなんて思わないからバレないってわけです」というアイディアが先にあって、そこにつなげるために無理やりカビ怪人を出したからこんな異常な展開になってるのかなと疑わしく思えてきました。

・冷静に考えてみると今回のタイトルって「腐る」なんですよね。「カビる」じゃないんですよ。
これも”生物兵器”案件で、「カビるじゃダサいよね。…『腐る』って言うのはどうかな?」なんてやり取りがあったのでしょうか。

国家機密の真相

・本当に国家機密ではあったようです。
私が理解した範囲だと、
”本物の”絵の中には本当に国家機密が隠されていた。(しかし失われた or ノクスでは本物を見つけられない)
→贋作を作らせ、その絵師の夢の中で絵を揃えると絵師にとっては本物同然の絵=現実の本物と同等の存在となり、その絵に暗号を解く方法(カビさせて液体をかける)を行うことで本物の絵に込められていた国家機密を解き明かせる。
という話だったようです。

・「描いた本人にとっては本物同然」という部分から言葉遊びを感じるので説得力は弱いと思いました。
個人的にはそれ以上にアイテム(ベルトとカプセム)を現実に持ち出せることがよくわかりませんでした。
復号した国家機密が再現されることまでは大前提の本物同然という話を信じればどうにか飲み込めなくもありません。
情報は情報なので現実に持ち出せても読み込んで覚えれば事実上持ち出すことは可能でしょう。そこまではまだわかります。
暗号を解いた途端に実体化したドアはもう意味不明の現象なので理解しようがありません。
クローゼットが司令室に通じている以上は現実でも本当に機密を解いた途端に目の前にドアができないとは限りませんからね。
ゼロの口ぶりからするとゼロ絡みの案件であるようなのであの機密が有った部屋も司令室と同じように創り出した謎空間という可能性は考えられます。

・ただ、アイテムを持ち出せるのはどういうことなんでしょう?
ナイトメア関連だから夢主を取り込んで現実化しないと無理な気がするんですができるんですか?
そこが何がどうなってるのか普通に理解できませんでした。
ノクスの壊れてる武器とは別にベルトが出てきて、武器は壊れたままなこともだいぶ意味がわかってないのですが。


謎が増えた

・現実化と言えばゼロも謎でした。
爆弾ナイトメアのときにゼロがバイクで送迎したときには「ナイトメアが実体化して夢と現実の境目が揺らいでいるから夢の存在であるゼロも実体化できた」という話なのかと思っていたのですが、今回は当然のように実体として存在していて戸惑いました。
え?じゃあマジでゼロは実在してる扱いなんですか?
そうなると必然的に刑事たちも出入りしているあの司令室も本当に実在していると考えないといけないのかもしれません。

・もっと驚いたのは莫が自分の部屋にクローゼット経由で出入りしていたことです。
え?ゼロに乗ってワープできるのって夢の中限定じゃないんですか?!
あるいは普通に現実のクローゼットから現実の外に隠し通路とかでつながっててそこから出入りしているという線も考えられます。
夢の世界よりもゼッツの現実世界の方がずっと摩訶不思議になってきていて、そういう意味でも戸惑っています。

・そもそもなんで莫はあそこで自宅に帰る必要があったんでしょうね?
他人の家で寝たら不審者過ぎるにしても、夢主が寝てる状況ならその場で寝ても大きな問題は無いと思うのですが。
緊急事態なのに何を悠長なことをやっているのかと個人的には疑問を感じました。
機密について問いただしたり夢主優先とゼロに反発したかと思ったらどれも結局丸め込まれてしまいましたし、莫の印象を上げようとして結局それもスパイごっこと同じく滑ってしまってる感じがしました。

どんな任務だよ!?

「Mission Complete」
…って他人にバレた時点で機密はもう機密じゃないんだよ!
ケースが無くなってることにすら気づいてねぇし!
どう見ても任務に失敗しているのに成功した扱いになっていて呆れ果てました。
ツッコミどころしかありません。

富士見

・思いっきり莫の妨害をしていて有害でドン引きしました。
夢主の生存やブラックケースの解決よりも小鷹の行方を優先していて刑事としても最悪です。
真面目な意味で「死んだ方が良い」と言えてしまう状況でした。
尋問自体が人権侵害ですし、本当にどうしようもありません。
なんでこんなのが味方扱いなんでしょうね…?
ナスカの方もこの期に及んで「本当に夢の中に入れるんですか?」とか言っていて呆れました。
確かに証拠は無いので信じないのは自由ですが、信じてないなら自分なりの独自の捜査をしてほしいです。

・そもそも帰ったら訴えられかねないから今しかチャンスがない富士見と違って、絵師の方は徹夜してまで尋問を続ける意味がないというどうしようもないオチまでついていました。
「もう疲れたからまた明日来てくれ」っていつでも言えましたよね?
上から目線で「俺の話が聞きたいならお前から情報を出せ」と要求してきた人間が言えないわけがないと思います。
刑事の無駄な素行の悪さといい、悪い方面では隙が無いですね。


仮面ライダーゼッツ・パラダイムワンダー

・小さくなって戦う絵面はそこそこでした。
ジョウロの雨の中で戦うところが一番良かったかなと思いました。

・ただ、アイディアとしては平凡で背景が思いっきり浮いていてクオリティも高くないので評価するほどではないと思いました。
有り体に言えば「しょぼいアントマン」ですよね。
主観的映像も交えるアントマンと違って、引きの画ばかりだから巨大感も薄くてアクションとしても退屈でした。
個人的にはそもそも「夢の中で何でも有り」と言うならアイテムに頼らずとも自由自在にこのくらいやってほしいと感じてしまいますし。

・武器は大鎌でした。
こっちも特に特筆することはありませんでした。
他の大鎌を使うライダーや怪人との差別化は何も感じませんでした。


次回は実質2号ライダーと思しきノクスの変身した姿が登場するようです。
…相変わらずメイン要素以外は何も無いんですよね。
今度は隕石落下の阻止がミッションだそうですけど、ミッション自体が実にどうでもいいので。

スタッフとして妹の心境や行動もメインとして扱いたいみたいなんですけど、それもまた特に興味が無いんですよね…
何度も死にかけてるなら心配するのは普通のことだから当たり前だし、クローゼットを開けて司令室を見かけたら何か起きるかというと特に何も起きる気もしないんですよね。
「もう危険なことしないで!」みたいな口論は莫と既にやってますし。
「ゼロが口封じのために妹を消す」みたいなことをやったところで「…いなくなっても別に困らないな。ゼロが怪しいのも元からだし」でこれも出落ちで終わってしまうでしょう。
妹からつながる展開で面白そうな内容を全然思いつかなくて何もワクワクしません。




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