『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』 第38話「ジャッジメント・リングハンター」:感想

2025年11月16日

話が飛んだんだっけ?

・吠もクオンもコウヨウさんもいきなり話と展開が続いて、話が飛んだんだったかなと感じるくらいでした。
実際、冒頭のレストランでの会話部分は「本当は37話と38話の間にもう1話あって、そこで入れた会話を冒頭にねじ込んだんじゃないのかな?」と思えるところもありました。
流れ的には「前回で匂わせておいて、次の回の冒頭で主人公が振り返る→そこから今回の話に入る」というのは戦隊でもよくありますよね。


結局、問題はそこじゃない

・降板の影響を感じるところも有るには有るのですが、結局問題があるのはそこじゃないんですよね…
どれもこれも1話飛んだ程度では揺るがないほど構造的な問題が大き過ぎます。

・吠のクオンに対する言動は違和感ありまくりでした。
いや、「なんで変わっちまったんだよ!」とか思ったらなんで今まで聞かなかったんですか?
仲間を倒せとか言われた時点で「何言ってんだよ、兄ちゃん?!優しい兄ちゃんがなんでそんなこと言うんだよ?!」とか違和感を持つべきところだし、倒す覚悟も無いのに「お前は俺の獲物だ!」とか言ってるのもおかしいでしょ!
クオン初登場からやりあったのが8&9話ですよ。疑問に思うまででに30話もかかってるなんて遅すぎます。
そりゃ禽次郎も「吠が考え事してる?!」って驚くわけですよ。

・クオンの方はこういうネタは間を置かないと意味がないと思います。
本当は「良いやつのままなのか? 事情があって従ってるのか?」とか言われても、ガリュードとしての活動や吠に対するお姉さん殺しの嫌がらせをやってる以上は罪状の方が明らかに上回ってるんですからこのままだと「だからどうした。理由があろうがクオンの行動は許されない」で終わってしまいます。

・コウヨウさんはゴジュウジャークオリティ過ぎて普通にダメでした。
そもそもが「お姉さん以外に恩人っていたの?!」という話自体が初耳じゃ済まされない視聴者への裏切りに思える歴史捏造でした。
おまけにコウヨウさんの人格自体がクオンの言ってたとおり上から目線で自分勝手な考えを語るだけの人になっちゃってました。
これじゃただの勘違いと空回りに見えて、「クオンって別に良いやつじゃ無いんじゃない?」で片付けることができてしまいます。
しかもクオンが裏切った後もコウヨウさんが生きてるから口封じにもなっていないという…
「指輪奪ったから」と言おうにもそれなら吠の指輪も奪うべきなんで片手落ちです。
だったらコウヨウさんに「あいつはやっぱり本当は良いやつのままなんだと思う。俺が生きてるのがその証拠だ」
みたいな話をさせればいろいろ丸く収まるのに滅茶苦茶でした。

・この辺の唐突さは仮に本来の前回で挟まるべき内容があったとしても何も解決しなかったと思います。
ゴジュウジャーのクオリティの低さこそが原因であって、降板騒動自体は些末な問題だと思います。
「僕達はもうお前の獲物じゃない」なんて台詞はもろに積み重ねが響いていたと思います。
あの場面は「ノーワン世界にいた自分たちを引き裂いた因縁の敵である番犬相手に『以前は狩られる側だったが今はもう相手にならない』という過去との決別を示し、復讐する場面」だったのだと思われますが、直感的にそう感じられた視聴者がどれだけいるのか怪しいと思います。
私は「え、クオンは突然何を言ってるの?? え~と、あぁ。一応仇にあたるからって話か」と理解するまでに数分かかりました。


どこがカットされたのかわからない

・今回も角乃の役者さんが映る部分は露骨にカットされているようでした。
ただ、違和感は引き続き特にありませんでした。
角乃どころか陸王や熊手もいたっけ?ってレベルで他のメンバーもみんな空気だったから気になりませんでした。

・個人的には角乃よりも変身後のユニコーンの出番が削られてる感じの方が違和感が強かったです。
あの鍵をパス回しする場面でユニコーンが鍵を取る場面がカットされてるように見えました。
本編の流れは
「ユニコーンが持ってる鍵を奪う雑魚→その雑魚を倒すレオン→雑魚が持ってたら鍵を取ってパスするティラノ→イーグルが鍵を受け取るが敵に羽交い締めにされたのでポーラーにパス→キャッチしたポーラーが鍵を破壊しようとするが壊れない」
でした。
これ明らかに「ユニコーンが鍵を最初に手にする」場面が抜けてると思います。それがあればボス担当のウルフを除いて全員分のパス回しが完成しますし、台の上に置いてあったはずの鍵がいつの間にかユニコーンの手の中にあること自体が不自然ですからね。
流れ的には「禽次郎!→熊手!」と名前を呼びながらパスするシーンだったので、「角乃!」って名前が出ることを嫌がったか、もしくは今回ユニコーンは声優さんの台詞が無かったので吹き替えの手間を惜しんだかのどちらかの可能性が高そうですが、どっちも流れを不自然にしてまで惜しむ意義があるとは思えませんでした。


心は狼

・ゲストでデカレッドに変身したコウヨウさんは役者さんが『牙狼』シリーズの主人公を演じていただけに牙狼ネタが多く、アクションもかっこよかったです。
2回目の変身時の頭上を丸く光輪のように切り裂いて頭上からアーマーが降ってきて装着されていくシーンはもろに牙狼の変身シークエンスでしたし、剣を持ってる方の腕を引いてもう片方の腕の上に剣を沿わせて構えるアクションも牙狼そのままでした。
牙狼だと”黄金騎士”だけにスーツが黄ピカに輝いていてどっちの動きももっとかっこいいんですよね。

・個人的には前半の活躍が特にかっこいいと思いました。
ガリュードの銃撃を弾いて拍手代わりにしながら変身するシーンやガリュードに銃口を向けて弾かれてもすぐにまた突きつけ直しシーンは見るからに強そうでかっこよかったです。

かっこいいけど爽快感が無い

・ただ、全体としては爽快感がありませんでした。
ガリュードのアクションがかっこよくないので、かっこいいデカレッドがかっこよくないガリュードに負けることへの不条理感が強かったです。
本来はそこに因果関係は無いんですが、ヒーローものとしては「かっこいい方が偉い!」は不文律として有ると思います。
敵が勝つ場面なら敵の方をかっこよく、かっこよくはなくても最低でも強そうに見えるように描くのは常道でしょう。
ガリュードの方も強くかっこよく描かれていたらアクション面では満足だったのですが、画竜点睛を欠く印象になってしまいました。


谷本健晋監督

・上でも書きましたが、アクションは良かったです。
特に武器や指輪を使った見せ場が多かったところは素晴らしいことだと思いました。
販促番組としては誰でもやろうと思えばやれる生身アクションよりも、固有武器やギミックを使ったアクションの方が価値がありますからね。
デカレッドもガリュードも武器を積極的に使っていた点は好感が持てました。


次回はもろに急遽作った総集編という感じがしました。
テロップ部分だと新規映像も映ってたから、使える箇所や必要な話を部分的に取り入れつつ残りを総集編で埋める構成っぽいですね。
後の話の修正が間に合うまでこういう作りが何話か有るのか、この一度きりで終わるのかどうなるんでしょうね。










コメント

2 件のコメント :

  1. 今回のタイトルバックまでのシーンは流出した予告を見る限り本来の38話のシーンですね。次回のスチルでも本来の38話っぽいスチルがあるので切り貼りして何とかするつもりなんだと思います。

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