『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』 第34話「散ずる戦禍、灰色の輝き」:感想
アクションは良かった
・坂本監督だけにアクションは良かったです。
ブーケたちの生身アクションは意義が感じられて特に良かったです。
きぐるみの戦闘形態の無い生身幹部だと「アクションできないから強そうに見えない」という問題が起きがちです。
ファイヤキャンドルは動ける方で出番も多かったので問題ありませんでしたがブーケは全然強そうなイメージがありません。
今回の活躍のおかげで幹部らしい存在感を出せたことは作品全体にとって有意義なことだったと思います。
・それと個人的にはレイさんが変身したマジレンジャーが良いと思いました。
パンチや飛び道具、剣など魔法にちなんでいろんな能力を使えるのは敵向きの能力だと思いました。
どれもマジレン本編で使われていた要素なのでレジェンド戦隊の販促や活躍にもなっていて非の打ち所がありませんでした。
今までのユニバース戦士の使い方で最も良かったと思います。
雑な展開が多すぎる
・ストーリーは壊滅的でした。
本筋だけでも酷いのに、アッサムやナイフなど今やらなくてもいい話まで無理に入れてそっちまで壊滅させているところが凄まじく酷かったです。マイナスの才能に溢れていると思いました。
強敵の急な弱体化は萎える
・本筋ではベルルムの急な弱体化が一番萎えました。
テガジューンで歯が立たなかったのにナイフたちでも傷を負わせられるってどういうことですか。
これならせめて「テガジューンがそこそこ追い込んだ直後」というシチュエーションにしておくべきだったと思います。
・リョウテガソード無しでもワイルドとギンガマンでもベルルムを圧倒できてるから最強フォームすら必要性が不明になっていることも酷いと思いました。
前回出たばかりの最強フォームがこの扱いって…
わざわざ手を加えた分だけ素直に最強フォームのパワーでごり押しするよりも酷くなっているところが目も当てられない悲惨さでした。
犠牲にしていい設定じゃないでしょ
・謎のまま始まって謎のまま終わるNo1バトルはマジで呆気に取られました。
マジで何に関するNo1だったのか全く意味がわかりませんでした。心当たりすら何も浮かびません。
誇張抜きで「とりあえずエモくしましょう」以外の意図が見えてきませんでした。根幹設定をこんなことのために使ったら作品全体が台無しになりますよ。
ゴジュウジャーはもう台無しになってるって? それはそう。
本当に意味のない陸王の行動
・本編内でも指摘されていましたけど、本当に一人で挑む意味がなくて唖然としました。
これをやるなら一人だけレイさんが犯人だと知っていたときにやらないと意味がないと思います。
なんで世界共通の脅威になってから倒すのどうのと言い出すんですか…
みんなが寝静まってから出たのにレイさんを見つける頃にはすっかり日中になっているところも間抜けだと思いました。格好がつかな過ぎです。
角乃のよくわからん心境変化
・妹至上主義から切り替わったみたいでしたけどなんで切り替わったのかが伝わってこない上に、そもそも前から妹関連以外では「セレブ!」とか「ハイクラス!」とか言ってアホで俗っぽい言動をしていたので特に感動の生まれようが無かったです。
妹はたぶんシンケンジャーの指輪を返せば意識を取り戻すし、意識を取り戻しても「あんた誰? 私に姉なんていないんだけど?」というギャル状態は変わらないので完全な解決も特にしないんですよね。
角乃自体も妹探しを除くと「ハイクラスラグジュアリー探偵(自称)」しかネタが無いのでキャラとしてどん詰まりなんですよね…
いろんな意味で「これでいいの?」としか言いようのない状況で反応に困ります。
予想通りのレイさん問題放り投げ
・予告の時点で予想済みでしたが、やっぱり投げました。
突然愁傷な態度になって、陸王が寄り添う感を出して終わっちゃいました。
だから治んないから絶望してるんだっての…
これで不治の病が治ったらレイさんがアホ過ぎるじゃん。
そしてそもそも「願い」を使えよ! 何のための指輪争奪戦なんだよ?!
人の力を超えた叶わぬ願いを叶えるのになんで神に頼らないんだよ!?
と、まぁ全く理解できない内容でした。こんな終わり方にするなら
「レイさんが本当に嫌だったのは腕の怪我でも不治の病でもなく、事件が起きた後に陸王が自分のことで手一杯になって見捨てられたように感じたことでした」
くらいの痴情のもつれ扱いにしておいた方がまとめやすかったと思います。
蛇足
・ついでのようにアッサムも投げられていて心底アホだと思いました
迎えが来ることを知っていたならなんで指輪争奪戦で「私は故郷に帰らなければならんのだ!だから効率良く指輪集めを進めるぞ!」みたいなこと言ってたんですか?!
「一ヶ月後の迎えを待つより指輪集めした方が明日にでも帰れるじゃん。早い方が良いに決まってるでしょ」という線は指輪争奪戦のペースからいって無理があると思います。
アッサムの性格から言ったら
「迎えが来るまで優雅なティーパーティーと行こう!」と連日お茶会を開いたり、
「せっかく地球に来たのだから迎えが来るまで地球人に真の紅茶を教えてやろう。それもノブレースオブリージュというものだな!」とか始める方が自然だったと思います。
シンプルに「迎えが来るのはアッサムにとっても想定外でした」にすれば何の問題もなく片付けられたのにわざわざアホなことをして話をぶち壊しているところが実にゴジュウジャーらしいダメさだと思いました。
・アホ過ぎる片付け方には見劣りしますが、宇宙人と信じないネタが面白いと思って引きずってる辺りも結構にヤバいと思いました。
個人のエゴを尊重するはずのストーリーで画一的に誰も信じないことが当たり前だとなんで思えたんでしょうね…
前半で天ぷらの食べ方がどうのと揉めていたので余計に違和感が際立つところが名人技だと思います。
天ぷらには異論があって当たり前だけど宇宙人と信じるかどうかは異論を挟む余地が無いそうです。
テガソードという神様やブライダンというAIが創り出した生命体や厄災なんて存在は信じるのに宇宙人は信じません。
これも竜儀とか一人くらいは普通に信じていて
「ん? 宇宙人だからUFOが迎えに来るくらい当たり前だろ? お前らアッサムを何だと思ってたんだ?」
とか入れれば何の問題もなく片付いたでしょうに…
蛇足その2
・ケークは寝てただけでなんか生きてました。
そもそもナイフ&ケークがどういう存在なのか知らないから「死んだって言うから死んだんだろうな」としか思えてなかったので生きてましたとか言われても肩透かしにもなりません。
今回のNo1バトル同様にイベント作りのためのイベントでしかなくて虚無でした。
前回からの流れも踏まえてもなお別にナイフの話が無くても成立したと思うので隅から隅まで意味が感じられませんでした。
前回の時点で「ところで前々回にナイフの話を入れた意義って何? 厄災の前フリなら劇場版で出たやつとレイさんを操ってるベルルムで充分だよね?」と怪しく思っていましたが、本当に意味が無かったのでもう「糞が」としか言うことが無いですね。
作劇としてはこれ以上は分解しようがない最小単位です。糞は糞だから糞です。疑問や可能性を挟む余地がありません。
情状酌量の余地有り?
東映公式曰く、
詰め込み過ぎでは!?!?!?
最後の5分、そう思われたことでしょう。
いつもいつも忙しなくて申し訳ありません。
アッサム王子と一同が別れを告げる箇所も
スイートケークが息を吹き返す箇所も
実はもっとやり取りがあったのですが
TV1話=23分30秒という厳密な尺には中々敵わず。。
だそうです。坂本監督が必要なストーリー本編を削ってでもアクションを入れたがる悪癖があることは周知の事実なので今回もそれかもしれません。
個人的にはアッサムもケークもそもそもネタ自体が面白くないから時間をかけてもどうしようもないんじゃないかと疑っています。
リョウテガソードロボ
・デカいだけでビジュアル以上に感じられるものは何もありませんでした。
見るから動きにくそうで実際動けない。まさに置物だと思いました。
テガソードロボは芯だけで、目に見える部分はほとんどリョウテガソードで構成されているので合体形態って感じもしませんでした。
・個人的には腕の剣がかっこ悪く感じました。
両手についていますけど、刀身が半分になっているので普通のテガソードロボよりパワーダウンしたように感じて強くなったようには見えませんでした。
次回はメインが一段落して閑話休題でダイレンジャー回のようです。
予告を見ていて「『ダイレンジャーと言えば野球!』なわけな…くもないか」と否定しきれずにいましたが、脚本はダイレンジャー本編でも三馬鹿の野球回もそれ以外の内容もやった荒川稔久さんでした。
じゃあ仕方ないっすね。原作本編でやっちゃった以上は認めるしかありません。
荒川さんの手掛けた戦隊はギャグも多いのでNo1バトルとかゴジュウジャーのキャラ設定もまともに活かせそうでその点でも少し楽しみです。
仮にヘブンズトルネードが出てきてもゴジュウジャーなら平常運転で済むので損は無いでしょう。その点では何が出てきても安心です。
「詰め込みすぎ」というより、深く考えていなかった設定や脚本家がどうでもいいと判断した話をゴミとしてここでまとめてゴミ箱に捨てた感ある
返信削除「詰め込んだ」というとまるで中身が有るかのような口ぶりなので誇大広告だとは思います。
削除ただ、「どうでもいい話を処分した」とは私は思っていません。
単にクオリティが低いから結果としてはどうにもならなかっただけで、スタッフは面白くなると思ってやったのだと思っています。
それ自体はただの失敗でしかないので行為自体はどうも思いません。
重要なのは適切に反省しフィードバックできるかどうかだと思います。
それが結果的には匿名さんにはゴミに見えてる事の方が問題としては大問題だと思います。
面白くなるどころか真逆の結果ですからね。
こんにちは。
返信削除レイさんの「俺は何を見せられているんだ?」という台詞が、視聴者の気持ちを代弁しているかのようで、少し面白かったです。
展開は相変わらずメチャクチャで、来週は指輪集め再開っぽいので今後も盛り上がらなさそうです。
クオンとの決着くらいは盛り上げて欲しいものですが、今のところ「よくわからん嫌な兄貴」でしか無いんですよね・・。
匿名さん、こんにちは。
削除>展開は相変わらずメチャクチャで、来週は指輪集め再開っぽいので今後も盛り上がらなさそうです。
また指輪集めで販促期間は適当に話数を潰してから関係ない話を唐突にやりだすんでしょうね。
>クオンとの決着くらいは盛り上げて欲しいものですが、今のところ「よくわからん嫌な兄貴」でしか無いんですよね・・。
今のところは全然実が見当たらないですね。
テガジューンも善玉化のように見える前兆がありましたし、クオンはラスボス化か逆張りで味方化でもするんでしょうかね。
何にしてもこのままだと他人事としてしか見られないまま終わりそうです。
ラスボスでも味方でも、意味のある存在になれれば良いですが、「唐突に良いお兄ちゃん化して吠の盾になって退場」とかしそうで心配です。
削除敵サイドにいる主人公の兄なんて、普通は使い捨てしないでしょうけどゴジュウジャースタッフは普通じゃないので・・。
とりあえず、まともな展開にすることが第一ステップなんですけど、ゴジュウジャーのメイン展開でまともな展開があった試しが無いんですよね…
削除個人的には使い捨てにしようと思ってするわけではなく、「スタッフはちゃんとできてるつもりだが、全然できてない」可能性の方が高いと思っています。
だから34話も経つのに、これまで改善や試行錯誤といったものが見当たらず、同じような失敗を繰り返しているのだと思います。