【ストーリー】

■仮面ライダーの真髄
・敵と同じ力を使って敵を倒すのが仮面ライダーです。
今回のWは第2期平成ライダーとしてその点を問いなおした回だったと思います。

・障害を排除するための力だけを求めるなら悪党と変わらず、Wドーパントでしかありません。
しかし力なき正義が無力なことも翔太郎が証明しました。
力と正義、ここまではライダーで定番の流れですが、Wはここに甘さを加えました。優しさと呼ばないのもポイントなのでしょうね。
二人がビギンズナイトのことを二人の罪として背負っているのもWを清廉潔白な正義では無くすためなのでしょう。正義でも悪でもなく、人を裁けるほど立派でもない。完璧でないところが仮面ライダーが仮面ライダーたる理由なのでしょう。

・フィリップが翔太郎の甘さを必要とし、翔太郎は自力で挫折から立ち直りフィリップに追いつこうと互いに努力し、必要としあうことでエクストリームになれました。
二人とも失敗から学び、進歩しています。失敗して成長することを強化フォームへの変身につなげるのは流れが自然で良かったです。


■ライダーは助け合いでしょ
・アクセルにサイクロンを貸したシーンがけっこう好きです。
でも今回限りでこれ以降使われることはありません。それが残念です。
Wの他のメモリも使ったり、アクセルがエンジンを貸したりできて面白いし、信頼感が目に見えて良い演出だと思うんですけどね。


【アクション】

■エクストリーム
・強化フォームのエクストリームの登場!、なのですが…個人的にはあまり良い印象がありません。主にWの基本フォームが良すぎたせいですが。

・スーツ自体は悪くないと思います。
他のライダーの強化フォームに比べて比較的軽装で動きやすくアクションの邪魔になりにくいデザインですし、開いた瞬間に風を取り込み、初代ライダーを彷彿とさせるベルトも良い感じです。

・問題は武器の扱いだと思います。
剣と盾で両手が塞がっているのでアクションのバリエーションに乏しく、毎年出てくる他の剣との差別化もできていません。
ギミック面でも刺すメモリもいつも同じで効果も変わらず、武器の必殺技も盾からビームと剣が光って切るだけでありきたりです。アクション含めて見た目で退屈です。基本フォームのときは状況に応じたメモリの使い分けが見どころの一つだったので余計に残念に見えます。

・もう一つの理由はストーリー上の扱いだと思います。
最初に倒した相手がぽっと出のビーストとゾーンで、ボス格のウェザーや園咲家とはしばらく縁がありません。話の中核なのに全然翔太郎たちと絡まない園咲家含めて、この辺りは失敗だったと思います。


次回は一旦休憩で、脚本はフォーゼの中島かずきさんが担当です。
ゲストなのであまり本編に関わらない内容となっています。