『仮面ライダーセイバー』 第2話「水の剣士、青いライオンとともに。」:感想

2020年9月13日

■設定も販促も手に負えない
・前半は演説、後半は販促で大忙しって感じでした。どちらもちゃんとできているようには見えませんでした。
そしてそれ以外のことは特にやっていないので端的に言うと「見どころがない」という印象でした。販促番組で抱くべき印象ではありません。

・前半は特に退屈でした。前回も説明だらけで退屈だったのですが、今回は2号ライダーなど登場人物の説明が主で一人が演説し始めて他の人は黙って聞いているだけでドラマCDのようでした。映像作品でやることではありません。

・背景が単調であることも悪い意味で追い風になっていたと思います。
撮影を簡略化するためなのでしょうが、舞台が本屋、アジト、隔離された街、異世界の4ヶ所だけでした。それ自体は仕方ないと思いますが視聴者が退屈に感じるのも当然だと思います。これでは対策ができてるとは言えないと思います。

■出来の悪い物語
・相変わらず主人公の人格が伝わってきません。主人公の棒立ちが目に余りました。
散々「覚悟はできてる」だの「人々を守るために」とか言っていたのにいざ本の世界に入ったら
「何あの怪人! きもーい!」だの
「うわ、溶けた! やばーい!」だの
「ブレイズつよーい!」だの
とヒロインと一緒に観客として全力を尽くしていて目を疑いました。この主人公はまだ変身できないんでしたっけ?

・怪人を倒す前の決め台詞もかなりおかしかったと思います。
怪人たちが何度も「もうすぐ本が完成する。完成したら元には戻らない!」って言っててそれを阻止するために戦っているはずなのに、「結末は俺が決める!」って。完成させたくないんだから結末を決めちゃダメでしょ! それじゃ完成を手伝おうとしていることになってしまうと思います。

・その前の「これは『アリとキリギリス』だからキリギリスは蟻を守っているんだ!」も意味がわかりませんでした。蟻とキリギリスは仲が良くないけど敵対関係と言うほどでも他人という感じだったと思うのですが。
ちなみに今回の怪人を生み出した本の題名は「アリかキリギリス」だそうです。…名前を見てもやっぱり意味がわかりません。「か」って何でしょう? 「AorB」の意味に見えますがどんなお話なのかさっぱりわかりません。

・主人公に限らず展開自体もおかしいと思いました。
主人公が駄々もこねずにあっさり撤退したかと思ったらアジトに戻ってからごね始めました。なんですんなり撤退したんでしょう?
倫太郎も謎でした。てっきり倫太郎は全て理解した上でリスクを避けるために撤退を選んだのだと思っていたらボスの説明を受けたら「え、そうなの? ヤバいじゃん!」みたいな反応をしていました。知らないで助けに行って知らないで撤退したんですか。
登場人物の反応が奇妙で脚本の操り糸が透けて見えるようでした。

・全体的にゴーストっぽさを感じる展開だなと思いました。
主人公の人格の曖昧さや決め台詞の唐突さなどシリーズ構成の福田さんの前作の問題点と似通っているように感じる部分があります。非常に良くない前兆です。

■芽依
・ヒロインは今回もうざかったです。役に立たないのに無理やりついてきて見事に足を引っ張る清々しいほどのゴミでした。「え、こいつここで殺されるためにいるんじゃないの?」とびっくりするくらい要らないです。

■出すだけお手軽販促
・販促はストーリー以上に壊滅的でした。
出てから2話目の1号ライダーに新登場の2号ライダーの必殺技。二人のバイクにセイバーのフォームチェンジアイテムまで出していました。忙しなさ過ぎて最後の雑魚を一掃するシーンが馬鹿みたいでした。

・個人的にはジャックと豆の木の能力の使い方がダメだと思いました。
ブレイズがドヤ顔で使っておいてしょぼい弾を飛ばすだけで終わって、その後のセイバーはジャックと豆の木らしく蔓を伸ばして足場にしていました。物事を比較する場合には「しょぼい→常識的」という流れでやるのは悪手だと思います。せめて「常識的→規格外!」であるべきだと思います。
ブレイズが本気で使い方に驚いているせいで「こいつ偉そうなわりに本の内容すら知らないのかよ…」と印象がかなり下がりました。

・フルCGの乗り物パートもクオリティが低かったです。
PS3くらいのCGでした。ライダーではマシなほうですけど客観的には見ごたえがありません。

■仮面ライダーブレイズ
・デザインはいかにもなかっこいい系だと思います。
アクションは手数が多く、マントや前掛けなどひらひらする物が多い分だけセイバーよりも見栄えが良いように感じました。

■フォームチェンジ
・セイバーは比較的地味な右半身に飾りがつく形なんですね。
素体だと地味目なのでフォームチェンジするほうがかっこよくなるのは良いですね。最近は基本フォームと大差なかったり、基本フォームがかっこいいようにデザインされているフォームに別のモチーフを無理やり被せるからキメラになってかえってかっこ悪くなったりしがちでしたからね。手法としてはありきたりですが方向性としては悪くないと思います。

・個人的にはますますリュウソウジャーっぽいデザインだなと思いました。バンダイ社内で協議した上でOKになったのか、意思疎通のないまま起きた交通事故なのかどっちなんでしょうね。


次回は3話にしてもう非シリーズ構成の回が来るようです。脚本は毛利さんだそうです。
まだ主人公の人格すら描けていないし、初登場の3人目ともう一人の味方?まで登場するのにシリーズ構成が手を放すなんて不安です。
3人目のライダーの第一印象は「死にそう」です。若手の登竜門たるライダーに似合わぬオジサンで子持ちで、これまた子供に人気の出そうにないゴツめのデザインで死亡フラグをびんびんに感じます。最近の傾向で言うと悪役ライダーに改造しやそうなデザインもヤバ気です。とりあえずこの印象を覆す内容があると良いのですが。

コメント

4 件のコメント :

  1. 更新お疲れ様です。

    主人公が積極的に異世界のトラブルに首を突っ込んでいくのが不思議ですね。血気盛んというわけでも無いですし、怪人を見てうえぇ怖ぇーみたいな態度かと思えば俺がやらなきゃみたいな使命感を帯びたり、初変身でもそうでしたが普段と戦う時とで性格が分離しているように見えます。

    今回の怪人はわりと怖そうに見えました。撮影場所とエキストラの問題は顕著に現れていますね。怪人の活動が間接的にでも人々に影響を与えていて脅威になっている描写は最低限必要だと思います。キャラ紹介が終わってゲスト中心になれば多少は改善されそうですが。

    ジャックと豆の木のアイテムは確かに捻りのない使い方でしたね。自分はそれでもビルドの意味不明なボトルの能力などと比べるとモチーフに基づいたまともな描写に見えて納得しかけていました。同時に素直に主人公を評価するブレイズにも好印象を覚えてしまいました。ハードルが極限まで下がっているのを痛感します。

    ヒロインは今のところ良さが伝わりませんね。ヘイトが集まった結果「アイテム生成に必要な能力」とか雑に役割が与えられるだけにはならないでほしいです。エンディングでダンスしてる姿は溌剌としていて、魅力的に描けるポテンシャルはあると思います。

    次回登場のライダーは「ちゃんと」死ぬんならそれも良いんじゃないかと思います。大騒ぎした挙句全員生存した滅亡迅雷みたいな茶番や、オールアップ詐欺からの安易に復活も勘弁です。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >初変身でもそうでしたが普段と戦う時とで性格が分離しているように見えます。

      違和感を感じますよね。別に精神的にスイッチが入ると豹変するタイプというわけでもないようですし。

      >今回の怪人はわりと怖そうに見えました。

      デザインはリアル調で怖い感じだと思います。

      >ヘイトが集まった結果「アイテム生成に必要な能力」とか雑に役割が与えられるだけにはならないでほしいです。

      個人的には役割がないよりかは有ったほうがマシかなと思います。現状だと作中でもいるだけ邪魔なので。

      >次回登場のライダーは「ちゃんと」死ぬんならそれも良いんじゃないかと思います。

      ライダーの水準で言えば確かにそうだと思います。
      あまりにもコテコテな展開で意外性がありませんが、今のライダーは意外性とか以前の問題ですからね。普通のことを普通にやることすらできていないので普通のことをするだけでもだいぶマシだと言えるでしょう。

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  2. 次回登場する3人目のライダーは剣が重そうなのでアクションにあまり期待できなさそうな気がしますがどうでしょう?

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    1. そういう可能性も考えられると思います。そうでない可能性も考えられます。
      バリエーションを作るという点では難易度が高いでしょうがサブライダーなので活躍する頻度は少ないかもしれません。頻度が少なければバリエーションの少なさは目立たないかもしれません。やり方次第では魅力的に描くことも可能だと思います。それができるかどうかは見てみないとわかりません。

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