『仮面ライダーセイバー』 第1話「はじめに、炎の剣士あり。」:感想

2020年9月6日

■1話はいまいち
・悪くはないけど面白くない1話でした。説明ばかりだったところが退屈でした。
それも最初に思いっきり説明を入れたせいで途中の展開も「いいから早く異世界や冒頭の展開までつなげろよ。どうせあそこにつながるんだろ?」と結末がわかりきっててイライラさせられる展開でした。こういう構成にするなら記憶喪失の主人公を軸に現実世界のほうをベースに話を進めて、ファンタジー世界のほうは断片的に何かの事態が進行していると感じさせる描写に留めておいたほうが良かったと思います。

・冒頭と最後のあらすじおじさんは今のところ無いほうが良いと思いました。
情報量が無くて時間の無駄です。「わからないかもしれないから」なんて心配をするくらいなら、話をわかりやすくする描写に時間を使うべきだと思います。

■ヒロインがかなりうざい。
・仕事よりプライベートを優先するために他人に迷惑をかけ、仕事の手を抜いたり普通に人としての印象が悪いです。
主人公を何でも肯定する善人として描きたいみたいでしたが、クズに見えるヒロインを肯定したことで主人公の印象まで悪くなりました。今のところヒロインは百害あって一利なしという印象です。

・それなのに登場人物の中ではヒロインが一番目立っている印象なのがかなりマズイと思いました。
主人公が世界観説明の狂言回しとして使われてばかりでキャラの印象が薄かったです。
個人的には決め台詞の「結末は俺が決める!」が浮いているように感じました。そういう台詞が似合うのは俺様系のキャラで、主人公は好青年タイプなので合わないと思います。やるなら「人の結末を勝手に決めるな!」とかそういう間接的な否定のほうが似合うと思います。

■敵がしょぼい
・個人的には怪人が戦う前からしょぼく見えたところがダメだと思いました。
本気で殺そうとしたのに生身の人間一人殺せないのは情けないです。まして同じ手を飛ばす攻撃をライダーに変身した後に繰り出されても全く脅威に感じません。コロナ対策の都合か襲ったのも主人公とヒロインくらいでモブ虐殺も何もしてないので余計にしょぼく感じました。

■仮面ライダーセイバー
・見た目は普通ですね。ライダーでよくある感じという印象です。かっこよくもなくかっこ悪くもなく特に言うことがありません。
個人的な第一印象は「ウィザード+シンケンレッド」という感じでした。モチーフが被ってるからそうなるのも納得でこれまた特に言うことがありません。

■アクション
・デザイン同様に悪くないんですが特に良くもありませんでした。動き自体は良かったのですが右手の剣でしか攻撃しないからアクション自体が単調でした。
必殺技も「十字斬!」って言ってるのに特に十字に見えなくてずっこけ感を感じました。

・パラパラ漫画みたいな演出の見栄えが良かったです。
でも予算の関係で続かないだろうなと思っています。背景のCGや異世界感もアピールしているようでしたけどどうせいつもの採石場や公園の森や洋館とかになっていくんだろうなと諦めています。

・そもそも異世界だろうがリアルだろうがやることが特に変わる気がしないんですよね。
モブとかも一緒に転送されるなら尚更です。いつもどおり怪人を倒していつもどおり一般人やゲストを守る。特にロケ地に制限がなくなるわけでもない。特にビジュアル面でのプラス要素を感じません。

・メタ的にはコロナ対策とやらをわかりやすく見れそうなのでそこは興味があります。
もっとも今のライダーのスタッフに妙案が浮かぶとは思えないんですけどね…

■ダンスED
・ライダーでは長らくやってなかったED映像、それもダンスがつきました。
…しかしこれもただダンスをやっただけで戦隊のものまねにしかなっていませんでした。これも即物的過ぎて特に言うことがありません。ライダーだから何の気概を感じないこともいつもどおりですし。


次回は2号ライダーやバイクが登場するみたいです。至って普通のライダーの2話になりそうです。見た感じだと次回も組織や何やらの説明に終始しそうです。特にワクワクしません。


コメント

14 件のコメント :

  1. 感想お疲れ様です。

    同じ脚本家と監督の「ゴースト」も子供人気は高かったようなので、そこから「命」という重すぎたテーマを引いて、誰でも安心して見られるエンタメを目指すのが今回の方針なのでしょうか。

    個人的にはゼロワンの内容がヒーロー番組でやるには噛み合わせが悪かったように感じていたので、子供寄りの作風がライダーの制作体制に風穴を開けてくれることを期待しています。

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    1. もずくさん、お久しぶりです。

      子供向けとして全力を尽くすならば出来栄えはさておき方向性としては好ましいと言えるでしょうね。

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  2. owlさんやもずくさんの仰っていた通り、主人公は好青年というか子供に接するシーン自体がライダーではご無沙汰だったのでその辺りは良いところですね。
    近年は無理に捻ったことをしてヒーロー番組としての意義が無くなっていたので、子供達に人気というわかりやすい要素を描写するのは好印象でした。
    アクションは剣メインのせいでセイバーらしさがあまり感じられませんでしたね。
    異世界の演出は1クールもしないうちに予算の都合でチープになるでしょうし、ページをめくる演出も変身バンクよろしく冗長に感じるかカットされるかの二択になるでしょうし……。
    怪人を馬跳びしたところはライダーでは珍しいアクションだったので目を引いたくらいでしょうか。
    リュウソウジャーは剣をメインにしつつも色々とアクションを織り交ぜていたので、少しでも戦隊並のアクションになってくれたらなぁ……と願うばかりです。

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    1. 今のところは悪いところも良いところも大して見当たらないという印象です。作品の魅力を描けていないように感じるところが不安材料です。

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  3. こんにちは、匿名で失礼します
    漠然とした感想になりますが主人公があまり小説家っぽくありませんね、目の前で起きた現象を観察したり感情的になったりメモしたり文字に起こそうとしたりせず、戦闘後も半日程で頭の中にあった物を淡々と書き上げて提出した辺りがそう感じた所以なのですが
    目の前の子供を第一にするヒーロー像としては良いのかも知れませんが小説家という職業を推している割には描写が手薄に感じます、彼がどういうジャンルをどの様な作風で書くのかも一切触れられていませんでしたし。何なら副業で本屋までやってますからね、要素だけ盛り過ぎじゃないでしょうか
    1話目時点でアイテムを本型にするから安直に小説家設定にしただけの様で、キャラクターがただのコマに見えるので既に先行きが不安です

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      そうですね。小説家に関しては私も今のところ意義を感じません。「ごく平凡な高校生」くらい有名無実な設定に見えます。
      ライダーでは意味があることのほうが少ないのでいつものことだと思っています。

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  4. 主人公のヒロイックな言動と、敵の巨大化等に対する「うえっ?おえっ?」みたいなふざけたリアクションが交互に来るのでどういう気持ちで見ればいいのか困惑しました。
    バックボーンがまだよく分からないので、熱血全開ですべてを救うとか言われてもいまいち乗り切れず、頑張って気分を上げようと戦闘シーンに集中しても、余計なおちゃらけで肩透かしを食う。フィニッシュも十字に見えない十字斬にしっくりこず首をかしげたくなりました。しっくりこないと言えば、決め台詞は確かに違和感ありますよね。「お前を止められるのは~」よりかはまだ唐突さは薄いですが、主人公には似合わない気がします。
    気持ちの悪いストーリーテラー(?)といい、取って付けたようなダンスといい、なんだかなぁという感じです。

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    1. 主人公の性格はいまいち掴めませんでしたね。
      今のところ人助けに熱心なところばかりアピールされているので「なんで小説家になったんだろう? 警察官とかのほうが向いているのでは?」と思ってしまいます。

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  5. 敵怪人の唐突な巨大化には戸惑ってしまいましたね。そもそも巨大化する必要があったのかも謎でした。

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    1. 巨大化したときには「あれ? 1話でロボ系玩具を出すの?」と思いました。でも特に意味がありませんでしたね。強敵には見えないから巨大化しても特に絶望感とかありませんし。

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  6. 更新お疲れ様です。
    悪くはないが先を期待できる程のものを見せたわけでもない…。
    ゴーストの頃にもその気はありましたが、かなり戦隊に寄せてきたな、という印象です。ガワだけ無駄に奇を衒うよりはいいかな。
    ヒロインがだいぶ酷い。ここからWの亜樹子になれればいいんですが、主人公が良い奴だけど叱らないタチの様なのでちょっと不安です。
    アクションに関してはパンチ縛りでも良い殺陣ができる事をウィザードが証明しているので、サブライダーの特徴次第でしょうかね。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >主人公が良い奴だけど叱らないタチの様なのでちょっと不安です。

      主人公、ヒロイン、青い2号ライダーの3人が基本レギュラーになってヒロインがやらかしたりわがままを言っては真面目な2号ライダーが注意するけど主人公が全肯定主義でヒロインを甘やかす。
      というパターンになったら嫌だなぁと思っています。

      >アクションに関してはパンチ縛りでも良い殺陣ができる事をウィザードが証明しているので、サブライダーの特徴次第でしょうかね。

      上手くやれれば制限があってもやりようはいくつもあると思います。今のところは特に片鱗を感じてはいませんが。

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  7. 更新お疲れ様です。

    CGや舞台美術にかなり力を入れている感じですね。ゼロワンがそうでしたが表面的な映像のクオリティのみに注力してストーリーが疎かにならないか心配です。

    好青年らしい主人公ですが、全肯定するだけでは上手くいかないことにぶつかる展開に期待します。お人好しキャラは周りが聖人扱いして意見できるキャラがいない状態に陥る傾向があると思います。それでも1話としてはかなり好印象でした。

    変身後は没個性すぎてなんとも感じなかったのですが、動きがつくと左右非対称のデザインが活かされて角度によって違う見え方で良かったです。フルCGのモデルはゼロワンの方が違和感少なかったですね。必殺技のページをめくるエフェクトは地味めですが自分も好きです。

    本というモチーフには可能性を感じます。既に随所で小物やCGエフェクトに取り入れられていて映像的面白さになっていますし、小さい本って結構収集欲をそそるアイテムだと思います。

    襲撃シーンがあからさまに過疎ってましたね。群衆のシーンは過去に撮ったものを使うとかできないんですかね。そもそも怪人の脅威=逃げ惑う人々というテンプレは変えようがないでしょうし、今後も不自然なシーンや合成が増えるだけでしょうね。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >ゼロワンがそうでしたが表面的な映像のクオリティのみに注力してストーリーが疎かにならないか心配です。

      私は映像とストーリーは独立している傾向にあると思っているので因果関係は薄いと思っています。撮影スタッフのストーリーへの関心が薄いのはいつものことですし。

      >動きがつくと左右非対称のデザインが活かされて角度によって違う見え方で良かったです。

      左右非対称のデザインは動かすと面白いですよね。だからこそ剣のみの単調な動きがもったいなく感じました。

      >本というモチーフには可能性を感じます。

      個人的には本という感じがあまりしません。「箱」という印象です。ゲームカセットと言われたほうが納得しそうです。

      >群衆のシーンは過去に撮ったものを使うとかできないんですかね。

      背景を合成でなんとかしますというならモブもどうにかしてほしいと思います。そうでないなら街の破壊やパニックなど定番シーン自体を別の演出に差し替えることを考えるほうが健全だと思います。

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